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2011年3月11日 (金)

高校1年社会科:「現代社会と人権」講演会開かれる

 Photo_2 小泉純一郎総理大臣(当時)が、ハンセン病訴訟原告代表と握手している写真が、新聞紙上を飾ったのは2001年のことでした。「隔離政策は過ちだった。患者と元患者に対して謝罪する。ハンセン病問題を早期に全面的に解決するために、控訴は行わない」という総理大臣談話を発表しました。

 その後、政府による「真相究明のための検証事業が行われましたが、「その報告集には、ハンセン病問題がまだ、解決途上にあると記されています。――問題の全面的な解決には、一人でも多くの人たちに、ハンセン病について正しく理解してもらう必要があります。 

  (以上、厚生労働省発行「ハンセン病問題を正しく伝えるために」より)

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 2月26日(土)高校1年生の現代社会の授業の一環で、人権講演会を行いました。この講演会では、ハンセン病回復者である森元美代治さんに「現代社会と人権」をテーマにお話ししていただきました。

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 前半、森元さんの半生を語ってもらいました。

 ハンセン病が発病し差別を受けた中学時代。隔離された療養所生活の中にありながら「学びたい」と思って必死な努力をした高校時代。念願かなって進学した大学を卒業後、一般社会で生活を始めた矢先に襲った病気の再発と再隔離…。森元さんはハンセン病による社会的差別にあい、家族との離別や人生目標の喪失に苦悩しながら、しかし明るく「126歳まで生きたい」と前向きに今を生きています。

 現在、IDEAの活動でアジア諸国のハンセン病患者支援に奔走する森元さんです。「世界最貧国」といわれるネパールを訪問した時、現地の人に「自分たちは日本人より貧しい。しかし自分たちはあなたたちと違って子どもや家族を持つことができる。私とあなたはどちらが幸せか」と問われ答えられなかった体験を話してくれました。現代日本社会と人権の問題を鋭く問われたように伺いました。

 後半、各クラスから1名ずつ事前学習で疑問に思ったことを質問しました。森元さんは「どれも素晴らしい質問だね」といって丁寧に答えてくれました。そして二人の生徒から講演会の感想が語られました。ハンセン病問題に終わらず、人間の生き方についてさまざまな触発を受ける講演会だったように思います。(社会科O)

●生徒の感想

 私は今回の講演会がなければ、ハンセン病について何も知らないままだったと思います。ハンセン病が治る病気だと言うことも、隔離され、ひどい扱いを受けていたことも、子どもをもつことが出来なかったと言うことも初めて知ることばかりで、本当にショックでした。

 同じ人間である者同士が、差別したり、偏見を持っていることは、本当に悲しいことだと思います。私たちが違いを乗り越えられたとき、初めて名前を取り戻して、家族に受け入れられて、本当の人生に戻る人がいると気づき、すべて私たちにかかっているのだと思いました。

 ハンセン病の新たな患者の形は日本には少ないけれど、差別がなくなっているわけではなく、それ以外の“社会的弱者”とくくられてしまう人々の本当の姿を理解できているわけでもありません。そのようなことをなくすにはやはり「知ること」から始めるしかないのだと思います。今回の講演と事前学習で学んだことがたくさんあります。そのことを家族や将来自分の子どもともも共有して“知らない”事が最もひどい行為だという事実に目を向けていきたいと思います。(A・Nさん)