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2012年10月 2日 (火)

堤未果さん講演会「社会の真実の見つけかた」が開催されました

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10月1日、図書委員会主催による講演会が全校で開催されました。今年の講師はジャーナリストの堤未果さんです。堤さんは東京都出身で、和光小・中・高を卒業後、アメリカに留学されます。ニューヨーク州立大学国際関係論学科卒、ニューヨーク市立大学大学院国際関係論学科修士課程修了後に国連婦人開発基金(UNIFEM)、アムネスティ・インターナショナルNY支局員を経て、米国野村證券に勤務中に9・11同時多発テロに遭遇。以後ジャーナリストとして各種メディアで発言、執筆・講演活動を続けられています。

著者は多数で、『報道が教えてくれないアメリカ弱者革命~なぜあの国にまだ希望があるのか』(海鳴社)で、2006年日本ジャーナリスト会議黒田清新人賞を受賞され、『ルポ・貧困大国アメリカ』(岩波新書)で2008年日本エッセイストクラブ賞、また新書大賞2009を受賞されています。

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この間、図書委員会では堤さんが中高生向けとして書かれた『社会の真実の見つけかた』で読書会を行ったり、戦争・教育・医療・情報・憲法・プロフィール班に分かれて、堤未果さんや『社会の真実の見つけかた』の内容についての新聞を発行してその紹介をするなどの活動をしてきました。

また作成した新聞をもとに、さらに興味を持ったテーマについて調べて文化祭で展示を行い、文化祭後にもギャラリースペースで展示を続けるなど、講演会に向けた意識づくりを行ってきました。各学年でも堤さんが出演されたNHK番組「ようこそ先輩 課外授業」を観たり、『社会の真実の見つけかた』や堤さんの書かれた著書・新聞記事などを読んだりしてこの日に備えました。

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堤さんはまず、本校の図書委員の生徒が出した手紙に心を動かされ、お忙しいスケジュールの中でも絶対に講演をしたいと思って講演会を引き受けてくださったことを語ってくださいました。そして、堤さんがジャーナリストの仕事に就く転機となった9.11同時多発テロについての話が始まりました。

ご自身が経験された臨場感のあるその時の様子に一同が息をのむ中、堤さんは本当に恐ろしかったのは9.11ではなく、その次の朝からのアメリカの変化だったと語ります。アメリカ国民がパニックになる中、愛国者法が成立し、街にそして学校の教室の中にまで監視カメラが設置され、国民の言論の自由が奪われていく様子を語られました。

また、テロ後に制定された「落ちこぼれゼロ法」についても語られ、学力テストで落ちこぼれた高校生たちが言葉巧みにだまされて軍隊に入隊し、イラクやアフガニスタンなど対テロ戦争の危険な戦地に送られていることを紹介されました。その際、高校生を軍にスカウトするリクルーターに取材されたことをこう語ります。「リクルーターを許せないと思って話を聞きに行った。しかし彼らはだいたい23歳くらいで、彼らもノルマをかかえ達成できなければ自分が戦地に行かされる、かつてのだまされた高校生たちだった。」堤さんはニュースを一つの面から見るだけでは見えてこないことがある。当事者に話を聞くことで見えてくることがあると続けます。

そして、戦地から戻り、心を病みながらも講演活動を行っている青年のことを紹介されました。インタビューした際に彼は日本の子どもたちへのメッセージとして次のように語ったそうです。「テレビを見過ぎてはいけない。自分の頭で考えなくなるから。情報を得るときは図書館に行くとよいと思う。自分で考えながら読むことができるので、活字を読むのがいいよ。」

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堤さんは生徒たちに語りかけます。もっと若い人たちは政治や世の中に目を向けてほしい。そして、社会の真実を見つけるためには、メディアの情報をうのみにしてはいけない。情報を得るときは、色々な情報を比べること。そして、世界の人とつながること。おかしいと思ったら声を上げることが大事なのよ、そう語られました。

最後に堤さんはこう語りました。本当の敵は、テロを起こした人々でもなければ、政府でもなかった。「本当の敵は私たち自身の無知と無関心だった。」この言葉に生徒たちの顔が上がりました。2時間という時間でしたが、生徒は真剣に耳を傾け時間はあっという間に過ぎてしまいました。堤さんの言葉が生徒の胸に強く残った講演会でした。

◆生徒の感想をご紹介します。

今日講演を聞いて、私の中の「メディア」のイメージが大きく変化したように思います。

テレビをつければアナウンサーが一つ一つ分かりやすく説明してくれ、無知である私はまた一つ新しい情報を手に入れることができますが、アナウンサーが言ったことを必ず信じてしまうことがあってよいのか考えさせられました。

様々な所に出向いて行った街頭調査で、その意見が多いからといって、本当にそうなのか自分で選別することも大事だと思いました。たまたまそこで行ったものがそのような結果になっただけかもしれないし、一つ一つの意見にすぎない。だからこそ自分の意見を持たなくてはならない、またそれを持つにも、一つの情報だけでなく、様々なことを調べ自分で考えて発信していくことも必要だと思います。

いま私たちを取り巻く様々な情報源を上手に利用して、世界を広げることは無限に可能であり、そして年齢や職業を問わずできることであることは確かです。

この世界を変えるのは伝えることと自分が知ることであると思いました。世界を知ることができるものを上手に利用し、そして世界を広げていきたいです。(中1)

9.11のことを今まで知っていると思っていたけど、実際にはうわべだけの情報しか見ていなかったことに気づきました。何となく自分の中で、ターバンを巻いている人は悪者というイメージが物心ついた時からあったのは、テロを起こしたとされるオサマビンラディンの写真を小さいころから見ているからだろうなと思います。もし私がアメリカ人だったらメディアにうまいことだまされ、戦争を支持しかねないと思ったとき、本当に怖くなりました。

私もアメリカはいろんなスターがいて、自由の国だと思っていましたが、それは表の部分で、裏の闇の部分を知りませんでした。しかも、私たちと同じくらいの子どもたちがメディアや政府の犠牲になっているなんて思ってもみませんでしたし、やはり自分と重ねあわせてみると本当に恐ろしいなと思いました。

日本では憲法9条に守られているから大丈夫、教育制度も医療制度もまあまあちゃんとしているから平気だと思っていましたが、そのまま守られていることに安心して、情報をうのみにしてはアメリカと同じような状態に陥ってしまうのではないかと気づきました。

もっと知ろうとすることが自分の未来をつくっていくのだと思いました。(高2)