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2014年11月21日 (金)

香山リカさん講演会「10代のうちに考えておくこと」が開催されました

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1月17日、図書委員会主催による講演会が全校で開催されました。今年の講師は精神科医の香山リカさんです。香山さんは、1960年北海道生まれで、東京医科大学をご卒業後豊富な臨床経験を生かして、現代人の心の問題を中心にさまざまなメディアで発言を続けていらっしゃいます。

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図書委員会では講演会に向けて香山さんが書かれた『10代のうちに考えておくこと』や『弱い自分を好きになる本』で読書会を行ったり、香山さんが出演されたTV番組を見たりし、その内容についての新聞の発行を行うとともに、HRでの読書会を企画するなど、講演会に向けた意識づくりを行ってきました。

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各学年でも香山さんが出演されたTBSの番組「サワコの朝」を観るとともに、香山さんの書かれた著書『ネット王子とケータイ姫』や『妹たちへ2』に書かれた香山さんの文章などを読んだりしてこの日に備えました。

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また高校生では、先ほど紹介しましたように図書委員会が発案してHRの時間を使い『弱い自分を好きになる本』をテキストとして読書会を開き、講演会に向け意識づくりをした学年もありました。

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まず香山さんはご自身のなさっている精神科医のお仕事について話して下さいました。「アルプスの少女ハイジ」に出てくるクララが車いすの生活になってしまったのは、母の離婚のショックによるもので、「足が折れたのではなく、心が折れてしまった」のだと話され、人間の体に「心」が影響を及ぼすことを分かりやすく説明して下さいました。

また精神科医は理系の勉強をしてきた人がなり、同じく心を扱うカウンセラーは文系の勉強をしてきた人がなることから、心を診るお仕事には文系理系の両方のモノの見方が必要であるということ、自分の興味がある分野だけではなく、幅広い目で学ぶことの大切さを伝えて下さいました。

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続けて、「10代の人たちに伝えたいこと」として、3つのアドバイスをいただきました。

まず1つ目は、「一人でいる時間を大切にしてほしい」ということです。現代の中高生は「ひとりぼっち」になることはマイナスで、それをとても怖がっています。しかし、昔は一人でいられることはとてもカッコイイことだと受け止められていました。「一人でいる時間」は実はチャンスで色々なことを考えたり学んだりできる貴重な時間になります。「一人でいること」を怖れずに、その時間を大切にしてほしいというお言葉をいただきました。

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2つ目は、「傷ついたり悲しいことを経験したら、誰かの悲しみに思いを馳せてみよう」ということです。誰しも傷ついたり悲しい経験をして「もう立ち直れない」と感じたことがあると思います。そんなときには自分の悲しみだけでなく、他の誰かの悲しみにも思いを馳せてほしい。自分が傷ついてるとき、悲しいときにしか考えられないことがあり、その時は他の人の心を知るチャンスでもあります。自分の悲しみのあとで、他の人の悲しみについて考えるクセをつけてみようというのが2つ目のアドバイスでした。

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3つ目は「自分の底力を信じてほしい」ということでした。香山さんの患者さんの中でとてもつらい経験をなさった男性のお話しがありました。その経験はとても壮絶なものでしたが、彼は「自分が生きていることには何か意味があるのだ」と自分の夢に向かって頑張っているそうです。では、その彼は特別なのかというとそうではありません。私たち一人ひとりの中には深く傷ついたとしてもそこから立ち直るための底力があるのです。つらい経験や悲しみは誰しも望むものではありません。でも苦のない人生は実は損なのではないでしょうか。悩みをくぐり抜けた人は、悩む前よりも確実に強く成長した自分になります。悩み苦しみを避けることはできませんが、それを避ける必要もないのです。自分を、自分の中にある底力を信用してほしい。これが香山さんからのメッセージでした。

全校から寄せられた質問にも答えていただきました。いくつかご紹介します。

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 質問:「ネット依存症」などという言葉をよく耳にするように、LINE、twitter、ブログなどのSNSが今では社会に浸透していると思います。そのような社会の中で、私たち学生は、どのようにSNSと付き合っていくべきだと思われますか?

香山さん:同じ言葉でも面と向かって言われるのと、文字で送られるのでは受け止め方が変わります。文字として残ると、見返すことができて考え過ぎてしまう。また、顔が見えないと普段言えないことを出してしまいがち。SNSは便利だけど、なるべく事務連絡に使い、とらわれたり考え過ぎず、心まで使わないようにしてほしい。

質問:『弱い自分を好きになる本』の中で、香山さんは精神科医について「話を聞くプロ」だと書かれていますが、香山さんが相談を受ける際に大切にしていることは何ですか?また、私たちにもできる聞き上手になれる方法を教えて下さい。

香山さん:聞き上手になるのに大切なことは、相手の言ったことをいったんきちんと受け止めること。たとえ自分の意見と違うことを言われても、相手が話し終えるまで待ち「なるほどね」「あなたはそう考えるのね」とまず受け止めることでコミュニケーションは円滑に進みます。

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質問:いくつかの学年で「空気を読む」を読みました。本文中で、香山さんは「空気を読んで周りの様子をうかがう」とおっしゃっていましたが、周りのことを考えないで自分の意見を発言すると、周りと対立してしまうと思うのですが、どのようにしたら対立しないでうまく自分の意見を伝えることができますか?

香山さん:人と違う意見を言う時には、自分の感情をのせすぎないことが大切です。感情的にならず、○○だからと一言理由を添えるだけでもずいぶん受け止め方は変わります。対立する意見を言う時は裏付けを何か一つつけるとよいと思います。

質問:私は今高校1年生で、進路を選択する時期にさしかかっています。先日高校1年生は自分の進路について語り合いました。まだ決まっていない人も沢山いたのですが、将来を考える上で大切にすべきことは何ですか?

香山さん:進路を一生懸命考えることはとても大事。でも自分の心は無意識のうちに自分の望むものを選び取るから、あまり不安になり過ぎず、進んだ道が自分の心が導いたものであると信じてほしいと思います。

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香山さんのお話はとても具体的で、友人関係や進路のことなどを生徒に分かりやすい言葉を選んで香山先生は語りかけて下さいました。生徒たちのこれからの人生を支えてくれる沢山のエールをいただき、本当に充実した2時間になりました。