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2015年12月22日 (火)

《中学2年》 アイヌ文化体験

 12月18日(金)、アイヌ民族としてアイヌ文化の保存や講演会活動を行っている宇佐照代さん、宇佐恵美さん、島田あけみさんの三名に本校にお越しいただき、講演会とアイヌ文化体験が行われました。

 中学2年生は、2学期の社会の授業で江戸時代までのアイヌについて学習しています。そこで前日に、学年全体で改めて明治時代から現代までのアイヌ民族が辿ってきた歴史を学習した上でこの時間を迎えました。

 美しいアイヌ刺繍の入った着物で登場した三名の方のお話は、海外の同じ先住民族マオリ族の方たちの映像とともに始まりました。その後アイヌ伝統の歌や踊りの映像とともに、アイヌについてのお話が進みます。言葉や歌や踊りの意味を教えていただく中で、自然を表現し、神に感謝をこめていることを知り、またアイヌ語に語源をもつ言葉が身の回りにたくさんあることに生徒たちは驚いていました。同時に、文字を持たない民族だからこその伝承の難しさや努力を伝えていただきました。

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 後半は実際に生徒自身も身体を動かしてアイヌ文化を体験しました。一人ひとりに配られた伝統楽器のムックリに生徒たちは夢中です。鳴らすのが難しかったようですが、中には口を使って大きな音を出せた人もいたようです。アイヌ語の歌の輪唱にチャレンジしたあとは、大きな輪になって、アイヌの伝統的な踊りを教えていだただきました。一つひとつの動きに込められた意味を感じながら身体を動かすことで、知識だけではなく体をくぐる貴重な体験となりました。

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 最後に三名の方それぞれから、アイヌ文化の継承活動に携わるようになった経緯をお話しいただきました。三者三様のお話で民族の誇りや葛藤、そして祖父母や両親から受け継がれてきた想いを伝えていただき、生徒たちの心は大きく揺り動かされたようです。民族にとっての文化の尊さと、それを受け継いできた努力、日本におけるアイヌ民族の置かれている現状が生徒たちの心に深く残ったことと思います。

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~生徒の感想より~

○私は、今回の文化体験を終えて、アイヌとは北海道にいて、松前藩と交易をしたりしていたことぐらいしか知らなかったけれど、“アイヌ”ということだけで差別されてしまったり、“アイヌ”ということを隠して生きていかなければならなかったことを聞いて、すごく心が痛みました。もし、自分が“日本人”と言っているだけで差別をされ、それを隠して生きていくと思うとすごくつらい人生だと思うし、悲しみしかないと思いました。そういうことを味わっている人たちがいると思うとすごく悲しかったです。けれど、今日来てくださった方たちは、そんなことがあってもアイヌ文化を伝えていて「すごい!」と思いました。踊り、ムックリ、そして歌はどれも面白かったです。

 

○日本という国がある中で、また別な民族アイヌがいたということを知れて、やっぱり世界って広いんだなということを感じたし、自分の国の日本のことでも、まだまだ知らないことばかりだなと思いました。
 伝統的なアイヌ民族の歌や踊りは日本の大切な文化だと思うし、アイヌ民族の人びとが差別される理由もない中で、差別、いじめをされたり、受けることはやはりおかしいと思うし、もっと自分の国の伝統を大切にすべきだと思いました。今、このような形で、多くの人にアイヌということを知ってもらうことは大事だし、私たちのように話を聞いて、アイヌへの興味や関心を持つことで差別やいじめをなくしていくべきだと思いました。

 

○アイヌなんて生まれながら決まっていることだし、その事実は変えられないけれど、民族の誇りを持って伝えるというのはとても大切だと思った。あけみさんが言ってたけど、アイヌの着物を着るのに6年くらいかかったっていうことは、たくさん迷って決心したんだなって思った。

 

○もし、自分がアイヌ側にいたらどんな風だっただろうと考えたら、アイヌの三人がすごく輝いて見えました。私は、アイヌを知れてなんだか嬉しかったし、楽器や言葉に興味を持ちました。日本にこんなに素敵な民族があったなんてって思いました。アイヌは知っていると思っていたけど、こんなに優しくて素敵な方々だとは知りませんでした。最後の三人の話を聞いて、過去を知って、悲しくなりましたが、そんな風に思わせないくらいの笑顔で立っていて、私はかっこいい、素敵だなと感じました。

 この時間を通して、生徒は「文化を体験する」ということの面白さ、魅力を感じたようです。自分たちがまだ知らない日本の現状とその背景に目を向けていきたい、といった前向きな感想も多く、これからの社会の授業やFWの学習に活かしていってくれることと思います。