ブログ

トップページブログ《高校1年》 国内FW 岩手・宮城方面

« 《高校1年》 国内FW 四万十川方面 | メイン | 《高校1年》 国内FW 奈良・京都方面 »

2018年12月28日 (金)

《高校1年》 国内FW 岩手・宮城方面

【1日目】

朝7時過ぎに東京駅に集合でしたが、余裕をもって全員が早めに到着し、意欲の高さがうかがえます。新幹線で岩手県の新花巻駅に到着した後、バスで沿岸の釜石にある陸中海岸グランドホテルに向かい、昼食の海鮮丼をいただきました。一息ついてから、震災時に大きな被害を受けた大槌町の町役場の震災遺構を訪問しました。おらが大槌夢広場の神谷さんから、当時の大槌町の様子を詳しく聞きながら、遺構を訪れる外部の人に対する町の人たちの複雑な思いを知り、これから始まる4日間の研修が、自分たちにとっても覚悟を要するものであるという自覚を持つことが出来ました。町役場の前で黙とうを捧げ、後、防潮堤や湾の様子についてお話をうかがいながらバスで大槌町を巡りました。

Pb060986

Pb060983

Pb061000

町の文化交流センターの会議室をお借りして、神谷さんから、震災当時の様子を詳しく聞きながら、ワークショップを受けました。5,6人のグループに分かれて、個人としての答え、グループとしての答えを出していくものでしたが、最初に与えられた課題は「自分は大切な人と一緒にいま津波から逃げています。でもその大切な人は足をけがしてもう歩けません。あなたはその手を放しますか?」というとても重いものでした。そのような極限状況を想像して泣き出してしまう人も多くいましたが、当時は同じ決断を一瞬のうちに下さなければならなかった人もいたのだと実感し、その後の震災学習に対する取り組み方を大きく変えるものになりました。

Pb061003

Pb061005

P1020227

 

【2日目】

バスで釜石駅に向かい、三陸鉄道南リアス線(震災学習列車)で盛駅に向かいました。車内では、ガイドさん自身の体験談や、それぞれの湾の特徴や震災時のことについて詳しくお話をうかがいました。トンネルと湾が交互に繰り返され、リアス式海岸の様子を実際に感じることができました。

Pb071030

Pb071033

Pb071049

Pb071053

Pb071060

Pb071035

陸前高田に移動して、ガイドの菅野コハルさんから様々なお話を聞きました。まず陸前高田の広田湾を一望する高台に建つ普門寺に向かいました。立派な杉の巨木の参道、静寂な佇まいの庭や三重塔など、見どころの多いお寺です。敷地内には震災の犠牲者の鎮魂を祈り、高田松原の倒木を使って長野市の善光寺が制作した親子地蔵や、五百羅漢が置かれていました。本堂には震災で亡くなって引き取り手のない無縁仏となった方の遺骨が7年経った現在もまだそのまま置かれていました。その後も、バスで市内を走り、奇跡の一本松や気仙中学校を見ながら当時の様子を伺いました。

Pb071063

Pb071068

Pb071067

Pb071071

Pb071070

Pb071074

その後、陸前高田の市役所に向かいました。市役所はまだプレハブの仮設庁舎で、震災の傷跡の深さがうかがえます。市役所では市の復興局長である熊谷さんからお話をうかがいました。津波にのまれて屋上を残すだけの市役所の写真にある人影をさし、「これが自分です」とお話される姿を見て、こうしてお話をしてくださる方々もそれぞれ過酷な経験をされたのだと改めて身にしみました。津波で行政機能が完全にマヒした状態から、復興計画を立て街づくりを進めていく様子や、人口減少への対応に苦労されていることがよくわかりました。生徒が人を呼ぶためにどういう取り組みをなさっていますか、と質問したときに、逆に「どうしたらあなたはこの街を訪れてくれますか?」と問い返され、その難しさに気づくという場面もありました。

Pb071077

P1020252

P1020254

2日目最後は、宿泊先のホテル観洋の伊藤さんからお話を頂きました。ホテルは震災時に2階まで浸水しましたが、おかみの先導のもと従業員と一緒に被災した方々を、マニュアルにとらわれず臨機応変に対応されたお話をうかがいました。印象に残ったのは、お世話をしすぎない自立を促すような支援をされたことや、何かあったときにリーダーシップをとれる人になることの大事さを学びました。

P1020259

P1020258

P1020264

 

【3日目】

午前中は、ボランティア活動で漁業のお手伝いをしました。浮きについたフジツボなどの貝類を取り除く作業と、ホタテを入れるためのカゴ編みをしました。3時間ほどの作業でしたが、天気にも恵まれ、漁師さんの気さくなお人柄もあり、楽しみながら作業することができました。一方、ここでも人手不足の問題を肌で感じ、東北沿岸部の人口減少問題の深刻さを感じました。

P1020268

P1020273

Pb081091

Pb081097

Pb081106

Pb081100

午後は、ホテル観洋の伊藤さんから南三陸全体の語り部ツアーをして頂きました。特に震災遺構である高野会館では、普段立ち入りのできない建物内部まで案内していただき、津波の威力を実感することができました。また、人を呼び込むための高速道路がストロー現象によって、逆効果をもたらすおそれがあることや、実際に経験しないとやはり本当のことはわからない、でもこうして自分たちの経験を伝えることで、多くの人に「命を守る」ことの大切さを知ってもらいたいというお話が印象に残りました。

その後、気仙沼のリアスアーク美術館に向かいました。この美術館では東日本大震災を未来に伝える展示を行っています。200点以上もの写真、150点以上の被災物それぞれに小さなコメントがつけられていて、ひとつひとつのモノにはそれぞれ人の営みがあったのだなと思い知らされました。

Pb081111

Pb081115

Pb081122

Pb081126

Pb081127

Pb081130

夜は、翌日のプレゼンのために各グループでスライド作りをしました。それぞれ与えられた問いに対して、今回のフィールドワークを通じて学んだことを生かし、自分たちなりの答えを出していきます。盛りだくさんの内容に、なかなかうまくまとめられず予定していた時間をオーバーして班で話し合いをしていました。

Pb081138

Pb081139

Pb081142

 

【4日目】

午前中はさんさん商店街を訪問し、会長の阿部さんからお話を頂きました。商店街がモノを売り買いする場というだけではなく、人々の再会の場として機能したお話や、職住一体だった生活が、職住分離になっていろいろな問題があることなど、それまで考えもつかなかったお話をうかがいました。お話の後は、それぞれ買い物と昼食の時間を取りました。海産物で埋め尽くされたキラキラ丼を食べたり、ご当地キャラクターのオクトパス君を購入したり、思い思いに楽しんでいました。

Pb091148

P1020299

P1020300

午後は、東北大学の藤本先生に、これまでの学習の成果を聞いて頂きました。生徒たちは、震災遺構、盛り土と復興、地域経済と産業などについて全部で6つのグループに分かれてプレゼンを行いました。この4日間、様々なお話を聞いたり、体験をしたりしてきましたが、短い期間では消化しきれないほどの多くのことを学ぶことができました。あまりに多くのことを学び過ぎて十分に消化しきれなかった部分もありましたが、藤本先生には生徒の発表に対するコメントを頂くとともに、問題解決のヒントとなるようなお話をうかがいました。

Pb091160

Pb091164

Pb091171

長いようであっという間だった4日間、今回お話をしてくださった方みなさんがおっしゃっていたのは「自分の命を守ることが大切な人の命を守ることにつながるのだ」ということです。いつどこで大地震が起こるかわからない日本で生きる私たちですが、今回のフィールドワークで学んだことを、自分で生かすのはもちろんのこと、身近な人に伝えて共有していくことの大切さを学びました。

今後、生徒は今回の体験を踏まえて、最終レポートを仕上げていきます。