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2019年4月 5日 (金)

2019年度 1学期 始業式

4月5日に、2019年度1学期の始業式が行われました。校長先生からお話がありました。

みなさん、進級おめでとうございます。今日から新学期が始まります。皆さんの胸の内には、「今年度こそは・・・」という目標があると思います。そこから新しい年度を始めましょう。

さて、私の今年度最初のお話は、皆さんと同世代の人たちが展開している環境運動のニュースから始めたいと思います。(動画でニュースを視聴)

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3月15日金曜日、スウェーデンの16才の環境活動家、グレタ・トゥンベリさんの呼びかけに応じて、125ヵ国、2000以上の場所で、140万人の生徒・学生が「学校ストライキ運動」に参加したそうです。グレタさんは、SNSで「政府や自治体が、気温上昇を2度以内に抑えるための確実な道を歩き始めるまで、この運動を続けよう」と呼び掛けています。「気温上昇2度以内」というのは、2016年に発効したパリ協定によります。……今世紀末までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを求めています。グレタさんは、それに、大人が確実に取り組むように求めているのです。

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グレタさんが、環境問題を知ったのは8歳の時だそうです。照明を消したりリサイクルしたりするようにと言われました。

去年、15才になったグレタさんは、自分の考えを皆に伝えるために、行動を起こしました。8月、学校を休んで、「気候のためのスクールストライキ」というプラカードを掲げて、ひとりでスウェーデンの国会議事堂の前に2週間座り込みました。このやり方は、アメリカで銃の規制を求めてストライキをした高校生に倣ったのです。一人だけでやったのは、「学校を休んで環境問題を訴える」ということを提案しても、だれにも賛成してもらえなかったからです。

その後、毎週金曜日に週に1日の座り込みを続けています。それがFridays for Future です。グレタさんのSNSでの発信と、メディアの報道によって、この運動が、ヨーロッパを中心に各地に広がっています。

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行動を起こしたグレタさんは、様々なところに招かれて、話をすることになりました。

この写真は去年の11月にTEDで講演した時のものです。・・・・・・国連のCOP24、ダボス会議(世界経済フォーラム)、EESCといった国際的な会議に招かれて、スピーチしました。

先月、ノルウェーの3人の国会議員によって「ノーベル平和賞」にノミネートされました。

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グレタさんのSNSでの発信に対しては、たくさんの支持がある一方、ひどいことも言われています。「売名行為」とか、「操つられている」とか、また「グレタさんがアスペルガー症候群であることを、悪く言う」人たちもいます。

イギリスやオーストラリアでは、広がる運動に対して、首相が「学校を休むのはよくない」と、コメントしました。でも、大人からは、学校を休むことへの批判だけではなく、大学教授や科学者たちから発言内容への支持も表明されています。グレタさんの起こした運動が広がっているのは、「今、行動を起こさないと、人類の未来が損なわれる・・・」という危機感に、共鳴する人が多いからです。

グレタさんの考えや不安には、根拠があります。グレタさんは、「もっと科学者の言うことに耳を傾けるべきだ」と言っています。「今、気候変動が引き起こす危機と、どうしたらよいかということについては、何十年も前から、科学者が言い続けていることだ」と言っています。

科学者たちがどんなことを言っているのでしょうか?見てみましょう。

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SDGs(持続可能な開発目標)を知っていると思います。2015年に国連サミットで採択された「2030年までに達成を目指す17分野の目標」です。

「目標13」が、「気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る」です。このSDGsの基礎となっている考えが、「プラネタリー・バウンダリー」です。「プラネタリー・バウンダリー」というのは、人類が生存できる地球環境の範囲の限界を示したものです。9つのプラネタリーシステム(気候変動、海洋酸性化、成層圏オゾンの破壊、窒素とリンの循環、グローバルな淡水利用、土地利用変化、生物多様性の損失、大気エアロゾルの負荷、化学物質による汚染)を対象として、具体的に人間が生きられる地球環境の限界を示しています。

『小さな地球の大きな世界』から引用します。

「重大な10のメッセージ」から「メッセージ1」・・・「様々な危機的な数字に圧倒される。地球は、かつてない環境への圧力にさらされている。あまりに多くの森林が伐採されている。海では、魚の乱獲が進んでいる。あまりに多くの生物種が絶滅している。温室効果ガスの排出や、海洋酸性化、化学物質による汚染など、人間はあらゆる方向から地球に圧力をかけている。すべての状況は、未来を危うくする段階にまで達している。歴史上はじめて、地球は追い詰められている。」

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最新の地質学で、地球は「人(ひと)新世」という新しい時代に入ったという学説があります。

第二次世界大戦後急激に増大した人類の活動が、小惑星の衝突に匹敵するような変化を地層に与えている・・・核開発・産業化・都市巨大化・・・放射性物質やプラスチックが地層に痕跡を残しつつあるというのです。地球の歴史の中で、生物の大量絶滅を引き起こした小惑星の衝突や火山の大噴火に匹敵するようなインパクトを、人類の活動が持ちつつあるという考え方です。

文明が生まれここまで人類が発展してきたのは、「完新世」という安定した地球環境があったからだけれども、その均衡が破れて、大量絶滅を引き起こすような元に戻れないような大変動が起こされようとしているというのです。

この指摘に基づいて、原因は人類の活動なのだから、限界に達してしまう前に何とかしようというのが、SDGsです。

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これは、プラネタリー・バウンダリーを示した図です。図の緑の範囲が安全範囲です。「人類は、9つの限界のうち、気候変動、生物多様性の損失、地球規模の土地利用の変化、窒素と淡水域におけるリンの4つの限界値を超えてしまい、すでに危険域に入っている。」と書かれています。

グレタさんの取り組んでいる「気候変動」も、すでに黄色ゾーンです。私たちはそのことを肌で感じていますね。日本の去年の豪雨、土砂災害の激しさはその現われです。

今、対策をすれば間に合います。裏返せば、今行動しないと手遅れになるということです。手遅れになったら、最初の受難者はグレタさんの世代、つまりみなさん方です。

グレタさんはストライキやスピーチをしているだけではありません。日常の生活でも行動しています。例えばダボス会議に行くとき、「環境に大きな負荷をかける飛行機に乗らない」で、鉄道で2日間かけて移動したことが話題になりました。だから、説得力があります。

私たちは、グレタさんが8歳の時に環境問題を知って、消灯したりリサイクルしたりを始めたように、日常生活の中で、できることに取り組めると思います。一人ぐらい変わっても意味がないと思うかもしれませんが、一人の集まりがみんなだということです。校内の節電、プラスチックのごみを出さない工夫もできそうです。身近なところに取り組みましょう。