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2020年11月25日 (水)

中3国際 「多文化共生」をテーマに一日研修を行いました

中学3年生は「多文化共生」をテーマに学習を重ね、11月13日に一日研修を行いました。多文化共生と一言で言っても、考えるべきテーマは様々で、以下の5つの方面に分かれて実施しました。詳しくは各方面の記事をご覧ください。学習の機会をくださった皆様、本当にありがとうございました。

【いずみ保育園・いちょう団地方面】 

いずみ保育園では、ベトナムにルーツを持つ保育士さん2名に、「外国ルーツを持って日本で育つこと、働くこと」についてお話をうかがいました。その後、外国にルーツを持つ住人の割合が高い、いちょう団地を訪問しました。自治会長の遠藤さん、住民の池谷さん、照屋さんからお話をうかがい、言語や文化が異なる者同士が同じ団地で共に暮らしていくことについてお話をうかがいました。

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《生徒感想より》 

いずみ保育園の保育士のお二人の話を聞いて一番強く印象に残ったことは、「言葉や国や顔の色などが違っても、差別しないで興味を持って同じ人間の一人として接することが大切」ということと、「外国にルーツを持つ人が近くに居たら、知らないふりをしないで、日本に来た時に感じている不安をなくしてあげることが相手の笑顔や喜びにつながる」ということです。理由は、日本人は私を含めて日常生活の中で外国にルーツのある人を見ると差別するような目で見てしまったり、会話することを拒んでしまったりするときがあるけど、その時に相手は寂しい、悲しい気持ちや、自分も人間として一緒なのにという気持ちを持っていることに気づかされたからです。

また、言葉や文化の違いが生活にものすごい影響を与えていることも知ることができました。そんな中で、親に心配をかけるから、幼い頃からお弁当や持ち物の準備を自分でやっていたと聞いて、私は今も親に支えながら行動しているので、本当にすごいと思いとても尊敬しました。私達が外国にルーツを持つ人のことを理解して認めることで、相手はものすごく安心感が持てるし、すごくうれしい気持ちになると思いました。日本はもっと外国にルーツのある人の文化などを理解して、その人達が私達と同じくらい安心感を持って過ごせる社会を目指していかないといけないと思いました。特に小学校に入ると困ることが多くなるので、その時期にしっかりとサポートしてあげるのが良いと感じました。スムーズに生活していくには文化を理解するのも大切だけど、一番大切なのは言葉だと、ものすごくわかりました。日本に住んでいる人が人種に関係なく過ごしやすい社会になってほしいです。

 

【横濱中華学院方面】

横濱中華学院方面では、まず、小学生の授業見学をさせていただき、その後、横濱中華学院の矢野先生から「多文化共生について」の講義をしていただきました。その後、5グループに分かれ、中華学院の高校3年生とディスカッションをしました。その後、中華学院の伝統文化の先生でもあり、中華街コンシェルジュでもある謝先生の案内で中華街をフィールドワークしました。

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《生徒感想より》

 国籍・文化・生活の違いを互いに吸収することは大切なことだと思いました。初めは文化や国籍が違っていたら、「自分たちとは違う」という勝手なイメージを持っていたけど、今回交流する中で、文化や国籍が違っても興味が一緒だったり、小さなことでも共感し合えたことからイメージが変わり、より相手に興味が湧きました。また、他者に対する少しの興味と勇気を持つことは今回だけでなく、今後の生活でも大切だと思いました。質問をして答えていただきたもので一番驚いたことは、定期テストを三ヶ国語で受けているということです。私たちと規模が違っていて、一つひとつが新鮮でした。貴重なお話を聞くことができて楽しく学ぶことができました。

 中華街を散策したときには、自分からあまり調べることのないような歴史や由来のことまでお話を聞くことができ、もっと他のことまで調べたいなと思いました。

 今回、一日研修を終えて多文化共生について学び、他の国についてももっと知りたいと思ったし、日本との関係や起こっている問題を知り、その問題について日本はどんな支援をしているのか、など多文化共生についてたくさんの疑問を見つけることができました。

 

【JICA横浜方面】

みなとみらいにある、JICA横浜を訪問しました。ネパールでの国際支援のご経験がある田中さんにお話を伺いました。JICAの活動やネパールの経験など、多岐にわたるお話でしたが、特に「そもそも日本はなぜ支援をするのか?」という問いかけには、一人一人が立ち止まって考えを深めることができました。お話を伺った後は併設されている海外移住資料館を見学し、学びを深めていきました。

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《生徒感想より》

 私は今回の一日研修を迎える前の事前学習で、「支援とは何か」「どのような支援ができるのか」など、支援について様々な視点から考えました。しかし、ひとつのことを解決しようとすると他の問題が出てきたり…「支援」と一言で言っても簡単なものではないと実感させられました。

 自分たちに何ができるか…具体的な考えがまとまらずに迎えた一日研修ですが、自分では気づかなかったような視点からの世界や支援を学べた、とても貴重な経験となりました。特に印象に残ったのは「信頼で世界をつなぐ」という言葉です。途上国の問題は世界の問題、困っている人がいるから助ける、当たり前のことのようですが、ものの考え方の大切な根本のひとつだと改めて実感しました。

 この根本的なことを大事にしないで国同士の問題になると損得勘定だけで動くことも多いように感じます。自分たちに得があるから動く、損があるから動かない、のではなく「助け合い」ということを意識して世界が良い方向に進んでほしいと思います。

 また、お話を聞かせてもらったときに「知る」ことが大事とおっしゃっていたので、これからも様々な視点から世界で起きている問題について学びを深めていきたいと思います。

 

【東京ジャーミー方面】

 午前中は片倉もとこ記念沙漠文化財団の河田尚子さんに、日本で生活するムスリマの立場から、イスラームの生活・文化についてのお話をうかがいました。

お昼にはアラビア料理レストランALAINからデリバリーしていただき、そら豆のコロッケ・チキンケバブの2種類のピタパンサンドイッチをいただきました。食べなれないお料理でしたが、新鮮な驚きとともに味わって楽しむ様子が見られました。午後はいよいよ、東洋で最も美しいモスクと言われる東京ジャーミーへ。オスマン様式のモスクの美しさに圧倒されながら、見学を楽しみました。

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《生徒感想より》

河田さんのお話は、授業で習って知っていることもありましたが、細かい内容は初めて知るものもあったし、相手がムスリムだからこそ聞けたものもあったと思います。(中略)宗教を信仰している人の違いを受け入れることは大切。これはずっと思っていましたが、じゃあ実際にこういうことをしていたり、こんなことをしていたりしても受け入れられますか、と河田さんに問われた時、すぐに自分の中で「できる!」と思えませんでした。「違いを受け入れる」のは宗教的考えや価値観を想像していたので、細かく具体的にどんな行動を相手がとるだろうかということは考えていませんでした。そのことに気づかされました。だからまずは宗教的理由の行動であるということだけでもわかって、受け入れられるように、イスラーム、キリスト教など(それぞれの宗教の)の基本的なことを知る必要があるのだと思いました。

 

【川崎市ふれあい館】

 今年は、川崎市ふれあい館の崔江以子さんを学校にお迎えしての講演会として企画しました。お話の冒頭は在日コリアンの戦後と桜本の歩みについてです。大人から子どもまで、様々な住人に共生の価値観が共有されてきた桜本の豊かさが写真とともに紹介されました。

そんな桜本の人々がヘイトデモの標的になり、恐怖で声も出なかったその日から江以子さんの日常、そして桜本の人たちの日常は一変します。人として否定され、日々身の危険を感じながら過ごさざるをえない… 生徒たちも「日常生活そのものが危険にさらされる」ことの恐ろしさを想像し、真剣に耳を傾けていました。

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お話の後半では、2017年に米国ヴァージニア州で起きた事件(人種差別反対の声を挙げる女性が突っ込んできた自動車によって命を奪われた)と、その事件への州知事の発言に触れながら、差別において「中立の立場」はない、ということを伝えていただきました。また、生徒たちの質問や感想を一つ一つ受けていただき、最後には「私の話に応答してくれたという思いを持ちました」とコメントをいただきました。

昼食は桜本の焼肉屋さんから特別にテイクアウトしたお弁当。本格的なお店の味を十分堪能しました。その後、午後はお互いの感想を伝え合う活動を行い、この日の学習が終了しました。

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《生徒感想より(一部抜粋)》

私は今日、崔江以子さんのお話を聞いて、心に深く残った言葉があります。それは「差別やヘイトスピーチがなくならないのは、それを容認している社会にある」ということです。差別をしている人たちだけが悪いのではなく、それをすることを許してしまっている社会にも責任があるというのはその通りだと思いました。そして、「差別は数の多い、少ない、で決まるものではなく、”ある”か”ない”かのどちらかしかない」ということも印象に残りました。差別やヘイトスピーチはたとえ受けた数が一回であろうと、その時に心に深く、一生癒えることのない傷を負うことに変わりない、と思いました。