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2022年6月 3日 (金)

高2FW  水俣方面:人間の尊厳を探求する旅

 神奈川学園では、高校1年生が5方面に分かれて「現代の日本を知る」フィールドワークに出かけます。現高校2年生はコロナウイルス感染拡大の影響を受け、5月にフィールドワークを実施しました。今回のブログでは、水俣方面の学びを紹介いたします。

 

<1日目>

 大きな遅れもなく、水俣に到着。まずは福田農場でパエリアを作って食べました。熊本に到着した時には降っていた雨もすっかり晴れて、高台から水俣の穏やかな海を一望しました。

 お昼の後は親水護岸の慰霊碑の前で、吉永利夫さんにお話を伺いました。親水護岸は埋め立て地で、地面の下には水銀に汚染された魚やヘドロが埋め立てられたままになっています。興味深く周辺を観察しながら、積極的に吉永さんに質問をする生徒たちの様子が印象的でした。

 その後茂道へ向かい、ご両親が水俣病患者であった杉本肇さんに船に乗せていただき、水俣湾を今度は海側から見させていただきました。ホテルに戻ってからはお話を伺う場を設け、ご両親の背中をみながら育っていったこと、水俣病に対する肇さんなりの思いなど、「もやいなおし」にむけて様々に活動されている現在までのお気持ちをお話しいただきました。

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<2日目>

 午前は水俣病考証館を訪れました。前日に見た親水護岸の下に埋められているヘドロ、猫実験をした時の猫小屋などを見て、これまで文字や話としての情報だった実物を多く見ることができました。その後、案内をしてくださった永野三智さん、胎児性水俣病患者として生きる坂本しのぶさんにお話をうかがいました。

 お昼には、水俣産の農作物で作られている「おるがんと商店」のハンバーガーセットをテイクアウトし、エコパークみなまたの広場でいただきました。また、水俣病資料館の見学や、百間排水口、湯堂や坪谷でのフィールドワークも行いました。

 夜には、胎児性水俣病患者に深く携わった医師・板井八重子先生のオンライン講演会がありました。講演や曲を通し、医師として、また女性としての生き方や思いを伝えてくださいました。

 この日は多くの方との出会いがあり、現地ならではの学びを深められた1日となりました。

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<3日目>

 3日目は、「水俣の自然を感じる」プログラムです。2コースに分かれてそれぞれの地で水俣のもつ自然の豊かさを感じました。

 1コース目は、愛林館です。自分たちでこんにゃくや豆腐を作る体験をし、お昼をいただきました。午後は里山散策をし、きれいに並んだ棚田などを実際に見ることができました。2コース目は、浮浪雲工房です。紙漉きや草木染めを体験しました。玉ねぎの皮から染色し、各々個性のあるエコバッグができあがりました。

 夜はシンガーソングライターの柏木さんのコンサートがありました。水俣病や今の日本社会を題材に歌ってくださり、生徒たちは歌詞のひとつひとつに耳を傾けながら、この3日間の学びや水俣の風景を思い返しているようでした。

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<4日目>

 水俣をあとにして熊本市へと向かい、写真展「9人の写真家が見た水俣」を鑑賞しました。この水俣での学びを踏まえ、今度はそれを「伝えていくこと」「表現していくこと」について、どう考えるのか…新たな視点を得、学びを深めた生徒も多かったように感じます。その後、最後に熊本城を訪れました。ガイドの方からは、熊本城の歴史や建築上の工夫、熊本地震の被害や復興のことなど、わかりやすく説明していただきました。

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 延期を重ねてようやく現地に赴くことができ、生徒にとっては特別な4日間となりました。色々な人と出会い、実際に水俣の地を訪れて現地の風に触れる中で、生徒たちは様々なことを感じ、考え、得たことと思います。横浜に帰った後は、学びの総まとめとしてレポートを仕上げます。事前学習での学びや現地での経験を踏まえて、どのように自分に引きつけて語ってくれるのか、とても楽しみです。