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2022年1月11日 (火)

高2FW  奈良・京都方面:歴史を学び、日本文化の本質を見つめる旅

1日目

 1年間の延期を経て、ようやく奈良京都を訪問できるとあって、元気に奈良に向かって出発しました。まずは新幹線で京都へ、そこから近鉄特急で橿原神宮駅へ。駅で今回奈良のガイドをしてくださる前田さん、山﨑さんと合流しました。

 心配されていた雨は、ぱらぱらと小雨程度のものだったので、大きな影響を受けることなく見学することができました。はりきって最初の見学地「甘樫丘」に到着です。丘から飛鳥全体を見渡しながら、ガイドさんのお話に耳を傾けました。実際に上から「飛鳥」を見ると、「庶民には住む場所がない」というのが実感できた、という感想がありましたが、実際に現地に立つことで、事前に教室で学んでいたことが腑に落ちて理解できたようです。

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 その後は「水落遺跡」に向かいました。さらに「飛鳥寺」へ。「飛鳥寺」は蘇我馬子の発顔によって建てられたお寺です。1400年もの間、場所を動かされることなく、当時のものがそのまま残されていることにみんな圧倒されていました。左右で表情が違うとされる「飛鳥大仏」を拝観しながら、ご住職のお話を伺いました。「まずは大仏様としっかり向かい合いましょう」とのご住職の言葉に、気持ちがスーッと落ち着き、静かな時間を味わえました。

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 飛鳥寺の後は亀形遺跡や酒船石など遺跡を巡りました。不思議な形状で、しかも山の中にどのようにして運ばれたのか、謎の多い遺跡です。「酒船石」はその名前から何かお酒に関することを行っていたところだろうと想像できるのですが、ガイドさんの説明によれば、「漢字に惑わされてはいけない」そうで、まずはまっさらな目でものごとを見ることが大事なのだと学びました。最後の遺跡は「石舞台古墳」でした。この遺跡からも、どうやってこんなにも巨大な石を積み上げることができたのか、という疑問が起こります。現在考えられることとして、「わかめ」を丸木の上に敷いて石を運んだとガイドさんから伺いました。不思議さと同時に、昔の人々の知恵のすごさを感じられる場所でした。

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2日目

 この日は少し早めの出発時間となりました。朝一番で法隆寺を見学するためです。教科書などでおなじみの場所ではありましたが、やはり実際の姿を見ると、「すごい」と感嘆の声が上がります。人の目の構造を考えて、より美しく見えるように造られた回廊の柱など、建物などのあちらこちらに見られる工夫の跡を丁寧に見学することができました。夢殿では長年秘仏とされてきた「救世観音」にもお参りができて、感激です。

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 次は東大寺に向かいました。まず圧倒されたのが南大門の金剛力士像です。大きさにも圧倒されたのですが、あの大きな像が約6千のパーツから成っていることにも驚かされました。そして「大仏殿」です。こちらも大仏様の頭の上の螺髪の1つ1つが私たちの頭くらいの大きさであることを教えていただくと、つい驚きの声が上がりました。若草山方面に向かい、三月堂(法華堂)をお参りしました。お堂自体もつぎはぎされた興味深い建物でしたが、中にいらっしゃる仏像の前では、自然と厳かな気持ちになりました。そして、長い間楽しみにしていた人たちも多かった鹿と触れ合う時間も少し持つことができました。「鹿せんべい」に群がってくる鹿の大群に恐れをなし、「鹿せんべい」を投げ出して逃げる人も…。でも楽しいひと時でした。そして奈良で最後の訪問となる興福寺へ。国宝館でさまざまな仏像と対面しました。

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 奈良から京都に向かう途中で、「文化財学科」という珍しい学科を持つ「奈良大学」を訪問しました。今まで古代の遺産をたくさん見てきましたが、それを現代に生き返らせたり、また保存したりするのはどのような方法があるのか、ということを学ばせていただくためです。高2の生徒たちにとっては、コロナ禍で、なかなか行けなかったオープンキャンパスに参加するような機会にもなる訪問でした。文化財学科の魚島純一先生は、実際に文化財の研究のために使用する機械類がどのような働きをするのかを、身近なお金などを使って見せてくださいました。科学の力が文化財の研究に大きく関わっていることを実感することができました。

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3日目

 3日目の最初の訪問場所は「金閣」で有名な「鹿苑寺」です。こちらも朝1番で寺の中に入りました。天気も良く、美しい「金閣」の姿を見ることができました。写真でよく見る美しい「金閣」だけでなく、実は広大な敷地を持つ「鹿苑寺」。その敷地をじっくりと景色を楽しみながら足を使って巡りました。

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 次は「大徳寺」に行きました。まず「大仙院」で座禅体験です。それまでの足で回る体験からうってかわった「静」の体験となりました。最初は足を組むのに四苦八苦していましたが、座禅が始まると集中して、普段は気に留めない風の音や鳥の鳴き声に気づく体験ができ、あっという間の30分でした。その後尾関宗園住職の法話を伺いました。「今こそ出発点」、張りのあるお声で伝えられた言葉は皆の胸に残ったのではないかと思います。昼食は大徳寺敷地内にある「泉仙」で精進鉄鉢料理をいただきました。鉄鉢料理は料理を食べ終わると器が全て重ねることができ、一まとめにできます。生徒たちは皆よく食べ、見事1つに重ねる生徒が続出しました。

 午後は京都の町家を学ぶ時間となりました。まず「京都市景観まちづくりセンター」で京町家に関わる概要を学んだあと、実際の町家を訪問する3つのコースに分かれました。「きっさこ和束」、「杉本家住宅」、「キンシ正宗・堀野記念館」の3か所はどこも、町家を現在に生かしている場所だと言えます。現代の生活に合うような使い方やリノヴェーションがされていたりするところもありますが、どこも古い家屋からは昔の人たちが暮らしの中で培ってきた思いや考えが感じられ、そういった思いも大事に継承していることが伝わってきました。

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4日目

 とうとうFWの最終日です。それを飾るにふさわしく天台宗の「比叡山延暦寺」と真言宗の「教王護国寺」を訪問しました。まず「延暦寺」はガイドの名越さんによる説明を受けながらの見学です。山深い場所にある延暦寺は厳かな雰囲気が漂います。なかでも「十二年籠山行」という厳しい修行の場である浄土院の周囲は空気がぴんと緊張した感じがしました。また、「根本中堂」は2016年から10年に及ぶ「平成の大改修」の真っただ中で、工事の足場がある中というめったにない状況でしたが、最澄が燈明をかかげて以来1200年間途絶えていないと伝えられている「不滅の法灯」などを拝観することができました。

 最後は他の場所から京都を訪れた時、「京都に来たな」と思わせてくれる「東寺」つまり「教王護国寺」を訪れました。はじめに大日堂で山田忍良教学部長の法話を伺いました。いろいろなお話をしてくださいましたが、どのお話からも、これからの毎日に勇気をいただけた様子でした。その後は解説を受けながら境内を拝観しました。たくさんの仏像が立ち並ぶ講堂の「立体曼荼羅」は圧巻で、昔の人たちの驚きや信仰の気持ちを共感できたような気がします。

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 4日間のFWは、制約があるなかでの見学になりましたが、教科書だけで知っていた世界を、実際に目で見ることのできた貴重なものになりました。研修実施を支えてくださったみなさま、本当にありがとうございました。