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2022年3月14日 (月)

高2学年  崔 善愛さんの講演会がありました

 3学期の期末テストも終わり、いよいよ進路実現に向けて本格的に歩みだす高校2年生です。考査講評初日に、ピアニスト・崔善愛さんからお話を伺う機会がありました。

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 崔さんが記念ホールに入るとすぐに、静かにショパン作曲「幻想即興曲」の演奏を始めました。それまで少しざわざわしていたホールが、一瞬のうちに崔さんの演奏に引き込まれていきました。その後も、「ノクターン」「革命のエチュード」などの演奏を交えながら、ロシアに占領された祖国ポーランドを想いながら若くして亡くなったショパンの人生を語ってくださいました。

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 崔さんは在日韓国人で、兵庫県宝塚市で生まれ、その後福岡県北九州市で育ち、日本の音楽大学を卒業されました。音大生のときに出会った被差別部落出身の友人から相談を受けたことをきっかけに、「なぜ差別はなくならないのか」という怒りにも似た熱い思いが湧いてきて、崔さんを外国人登録の際に義務付けられていた指紋押捺拒否という行動に駆り立てました。その後、指紋押捺拒否を理由に再入国不許可となり、アメリカ留学から帰国できない状況になったときに、裁判で闘ってきた崔さんは、同じく自分の国に帰ることができなくなったショパンの想いに気づくことができたといいます。

 最後に崔さんは「「なぜ」という思いを大切にしてください」「「なぜ」と思ったら、自分で調べてみてください」「日本に来ている多くの外国人と友だちになってください」というメッセージをくださいました。そして、講演会はショパンの「別れの曲」で締めくくられました。別れの寂しさだけでなく、楽しかったことや、懐かしかったこと、熱い思いを呼び起こすこの曲に、崔さんが込められた想いが伝わってきました。これから自分自身の足で歩みだしていく高校2年生に、力強いエールを頂いたように思います。崔さん、ありがとうございました。

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【生徒の感想】

 ショパンの曲は私も好きでよく聴くのですが、曲が作られた背景は詳細に知らなかったので、ショパンが自分の国に帰れない時に作った曲だと知ってから聴くと、また違って聴こえました。とてもすてきな演奏でした。

 崔さんは日本で生まれ、日本に住んでいらっしゃるのに、外国人として登録されて指紋をとられることに疑問を感じました。もし自分が他の国で生まれ育っていたとしたら、自分はその国の人ではなく「日本人」となるのだろうか、とも考えました。また、指紋を押さないと検察から取り調べを受けたり、二度と日本に帰れなくなることを知って悲しくなりました。指紋は一人一人違う大切な個人情報なのに、それを定期的にとること自体が間違っていると思いました。間違っていることを「なぜ?」と思い、その気持ちを大切にして勇気ある行動をする崔さんは凄いと思いました。私も物事に疑問を持った時に、自分で調べたりして学んだり、行動を起こしていきたいです。日本には多くの外国の方が住んでいるので、積極的に話して仲を深められるとよいなと思いました。

 ピアノの演奏がとても上手くて感動しました。場面ごとに意味によって曲を分けていて、思いがとても伝わってきました。最後に演奏されていた「別れの曲」が個人的にグッとくるものがありました。

 また、崔さんの講演会を聞いて、差別によってとても苦しまれてきたのだなと胸が痛くなりました。私が産まれた年は「指紋押捺制度」がすでに廃止されていたので、日本と在日外国人との間でこんなことが起きていたとは知りませんでした。指紋押捺を拒否しただけで懲役や罰金だなんて酷いと思ったし、最終的に一度日本を出たらもう二度と日本に帰れなくして永住権を剥奪するのもやり過ぎだと思いました。もし自分が崔さんと同じ立場にいたら嫌だと思っても行動に移さないで、ただ黙って指紋を押してしまっていたと思います。崔さんは実際に行動に移して、声をあげて、自分の意思を伝えるという簡単ではないことに取り組んで、在日外国人の方にとっては希望の光だったのだなと感じました。

 今回の講演会を通して「なぜ?」という疑問を持つことを大切にしたいと思いました。また声をあげないというのは賛成しているのと同じことになってしまうので、どんなささいなことでも自分の意見を言えるようになりたいです。また最後に崔さんがおっしゃっていた「将来大学や職場とかに外国人の人がいたら話しかけてみたり、疑問に思っていることを聞く、助けてあげる」というのを胸に刻んでおきたいです。

 私は今回崔善愛さんのお話を聞いて、自分で理解して行動することの大切さを学びました。最初「理解できないことに対して「なぜ」「どうして」と疑問を持つことに人生のヒントがある」という言葉があまりピンとこなかったけれど、崔さんが演奏してくださったショパンの曲を聞いて、その意味が少しわかった気がしました。有名な曲なので聞いたことはあったけれど、ショパンの人柄や作曲した時代の背景などを知り、理解した上で聴くと、弾いている音は何一つ違わないのに、今まで聞いていた曲とはまったく別の、訴えや意思がすごく伝わってきました。又、崔さんの経験を通してもこのことが崔さんの核になっていて、とても大事なことなのだと伝わってきました。ここで、今の私は、周りから供給された「自分のやるべき事」をただやらなくてはいけないものだから、という理由でしか行えていないのだと気づきました。なので、これからは「なぜこれらは私がやらなくてはいけないことなのか」というところをしっかりと理解しながら、自分の行動に意味づけをしていこうと思いました。